第82回 全日本ペン書道展(2019年)に出品する
桜の花も終わり、新緑の季節となりました。
そのうち梅雨がやって来ます。
早いものです。

さて、話は前後しますが、
今年も新しい年が明けて、
一ヶ月あまりが過ぎたある日のこと、
我が家に日ペンから封書が届きました。
何だろうと思って開いてみたら…
『委嘱状』とかいうのが入ってる(*・゛・)ん?なにこれ?

委嘱状

え…?どうやらわたしは、
今夏、開催される全日本ペン書道展における、
『自運創作部』および『臨書部』への、
出品委嘱作家として推薦してもらったようです。
ひゃー、これはビックリ!
なんでわたしなんぞが…?(汗)

まず、ペンの光に載っている展覧会の要項を確認することに。
すると『自運創作部』と『臨書部』の作品サイズは、
最大で400mm✕900mmとなっています(|||/ ̄∇)/ ゲッ! 

このサイズは大きすぎなくね?(*・゛・)
以前、日本書道教育学会主催による千字文大会の硬筆部門に、
何度か応募したことがありますが、
そのときの作品サイズはB4でした。
今回はその4倍近い大きさになります。
1m近いでっかい紙を細かいペン字で、
ビッシリ埋め尽くした作品なんて書いたことがない!

これは時間さえあれば書けるって話ではないので、
作品を仕上げるにはかなりの集中力と持久力が必要。
いや、そもそも、
そんな大作に取り組むだけの技量が自分にあるのだろうか?

嬉しいお誘いで光栄に思うけれども、
取り組んだとして完成まで辿り着けるのかどうか…?
気力体力ともに下降の一途を辿るばかりの昨今。。。(汗)
中途半端に終わるなら初めからやらない方がマシだよ…。

うーむ。どうしよう?(*・゛・)うぅ

展覧会と言えば、昨年は忙しくて、
かなの小品を1点、書いただけだった。
今回はこうして「出品してね~♪」って誘われたんだし、
未熟ながら、大きな作品を出させてもらうのも、勉強になるかな(*・゛・) 
(書ければの話だけど)

──と、これまでそんな経緯があったのでした。
今日は改めて、作品の制作準備から出品に至るまでの日々を振り返り、
以下、時系列にまとめてみることにしました(・o・)ノ

ヾ(-_-;) 。o0○(前置き長い)

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

【制作準備】
まず一番最初に用意したのは、
作品の下敷きに使う平滑な板です。
下敷きと呼ぶには笑える大きさです(;^_^)

下敷きの板

そのあと作品用紙を手に入れることに。
400mm✕900mmという変則的な縦横比です。
日ペンの通販部でこの出品用紙を扱っていましたので、
さっそく申し込むことにしました。
(これまで黒い紙に白インクで作品を書いたことが何度かあるので、
今回は白い紙を使うことにします。)
出品用紙到着

数日後に届きました。やっぱり、でかっ!

梱包を解いて中身を出してみると、
意外にも薄口の紙でした。うーん、
こんなにペラペラでは頼りないな…(`ε´)
もっとしっかりした紙に書きたい。

そこで文具店に行って、厚口の全判用紙(全紙)を買って来て、
出品作品のサイズに合わせて自分で裁断することにしました。
しかし全判の大きさとなると、売っている紙の種類が少ない。
この中から、インクの乗りが良く、
かつ滲まない用紙を選ばなくてはなりません。

全判あれこれ

すべての紙を試し書きしてみました。
インクが滲んでしまったり、
逆に吸水性が悪くてなかなか乾かない紙も…。

委嘱状を頂いたのが2月上旬、
そうこうしている内に3月に入っていました。

さて、問題なのは、どんな作品を書くかです。
『自運創作部』はわたしには力不足でとても自信がないし、
『臨書』の方が勉強になるのではないか?
そう考えて、中国の古典、それも楷書によるものを、
学ぶことにしました。
そこで図書館へ行って、法帖を何冊か調べることに。

雁塔聖教序法帖

選択したのは『雁塔聖教序(がんとうしょうぎょうじょ)』
褚遂良の書です。
なぜ欧陽詢や虞世南ではなくて褚遂良なのかと言うと、
以前、わかくさコンクールの漢詩を練習する際に、
書道字典を参照していたのですが、
自分がもっとも気に入った字形をあとでチェックしたところ、
褚遂良の書いた字が多かったのです。
それで、欧陽詢や虞世南も素晴らしいけど、
今回は褚遂良の楷書を勉強してみようということになりました。

そう言えば、今年の2月に台東区の書道博物館を訪れた際に、
『雁塔聖教序』の複製拓本(実物大)が、
壁に展示してあって感動しました。
(大きさは確か襖一枚分くらい?それが二枚ありました。)

雁塔聖教序

ところで、雁塔聖教序って何?(o・_・o)
調べてみると、
その昔、中国に玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)という方がいまして、
( 西遊記の三蔵法師のモデルになったらしい)
その方が、インドから仏典を持ち帰り、これを漢訳しました。
そうした功績に対して、太宗皇帝と皇太子がそれぞれ序文と序記を作り、
賜ったその文章を元に初唐三大家の一人、褚遂良が書いたのが、
「雁塔聖教序」(653年)です。聖教とは仏教の経典のことで、
この碑は唐の都である長安の慈恩寺の雁塔に設置されているため、
雁塔聖教序と呼ばれているのだそうです。

書体の特徴としては何と言っても優美で、
線に張りがあります。太細の変化は大きくはなく、
全体的にはかなり細身。なので、
ペン習字にも向いていると思います。
また、横画の起筆部分が逆筆で入っていたり、
行書風の筆勢が見られる箇所もあるため、
そういうところを意識して臨書することにしました。
出来ればの話ですが(・o・)ノ

【制作】
まず、どのくらいの字粒に書くか、
一文字あたりの大体の大きさを考えて、
マス目の寸法を決めます。
用紙の大きさに合わせて計算してみると、
17列、40行、合計680字となりました。

って、それ全部、書くわけ?だれが?(*・゛・) 

ヾ(-_-;) 。o0○(自分だ)

そんなわけで、まず700個近いマス目(枠)を用紙に書いていきます。

用紙に枠を

ま、作品がでかいと言ったって、枠作りなんてのは、
定規を使って、ただ線を引くだけだからね、
失敗のしようがないわな(⌒▽⌒)ははは

ところが1mの長さの定規を片手で押さえながら、
もう一方の手にペンを持って、
一定の筆圧で長~い線を何本も引いていくのは、
そう簡単なことではないのであった。。。こちら

ヾ(-_-;) 。o0○(よりにもよって最後の最後にコケるとは…)

あと10センチくらいで完成だったのに…
全紙の裁断からやり直しぢゃぁ!こちら

どうせ書き直すのなら…ということで、
白い紙を使うのは止め、色のついた紙に変更して、
枠作りを続行することにしました。
ところがまたしても…こちら

ヾ(-_-;) 。o0○(何をやっているのだ)

どうもヘンだなと思って、この1mのアルミ製定規を調べてみると、
なんと少し反り返っている部分があり、
そこが紙面から2~3mm浮き上がっていることが判明!(;゜▽゜)

ヾ(-_-;) 。o0○(なんで最初に気づかん?)

けっきょく定規を片手で押さえるだけでは不十分と分かり、
文鎮を定規の上に乗せて固定することに。(汗)

文鎮

これでもう定規は絶対にズレない!しかしまあ…
なんじゃこりゃ…。こんな手間は想定外だよ…(+_+)

こうして再びやり直し。
なお、当初は17列としていましたが、
これだと字粒に対して行間がやや狭く、窮屈に思えて来たため、
15列に変更して少し広げることにしました。
その結果、文字数もすこし減りましたが、
それでも全600字もある(: ̄ ・ ̄)=3  ぐはー

枠作りを何度もやり直したせいで、
すでに4月も半ばになっていました。
制作に時間を要することは覚悟していたものの、
準備段階でこれほど手間取るとは…(汗)

とにかくようやく枠だけは出来上がった!
しかしぶっつけ本番で臨書を始めるわけにはいかないので、
このあと法帖とにらめっこしながら、
別紙に数百字を練習しまくりました。
注意点として、
字粒の大小は法帖に合わせた比率で書くこととし、
すべての字粒を平均化した大きさにすることは避けました。
また、線質や筆圧の差などは統一せずに、
これも出来る範囲で法帖に従いました。

そしていよいよ清書の段階を迎えます(@_@)
そのとき、すでに10連休のゴールデンウィークに突入していました!
締切は5月10日必着!
ゆっくり書いていたのでは間に合わない。
しかし大急ぎで書いて雑な作品にはしたくない。
そして一字でも書き損じたらもうやり直す時間はない。
焦りつつも丁寧に書き進めていくしかありません。
連日、朝5時に起床して机にかじりつくことに。

うわあ~~!(|||ノ`□´)ノ

終わらない…

書いても書いても先に進まない!
これ終わるのか?(; ・`д・´)

間に合うのか( º言º)

(余談ながら300字くらい書いたときに、筆圧のビミョーな感覚がつかめました)

けっきょく作品が完成したのは5月の7日でした。

完成

まさか間に合うとはね…やれやれ(: ̄ ・ ̄)=3  ふ~
あぁ、胃が痛ぇ…(+_+)
改めて作品を眺めると、あっちにもこっちにも書き直したい字が…(汗)

(ちなみに今回は雅号「悠渓」を初めて作品の中で用いました。)

幸い予定よりも一日早く完成したので、
かな作品にも取り組むことに。
かろうじて1点のみ仕上げることが出来ました。

継色紙ペン臨書

(継色紙から二点をペンで臨書) ※関連記事 こちら

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

今回は、わたしにとって初の大作となりました。
本来ならば仕上がった作品は練習作品として、
出品前に日ペンの先生方に添削ご指導して頂き、
その成果を元に本制作に入るのが理想かと思います。
実際、日ペンでは、どんな大作であれ、
そうした手順を踏んで出品される方々がとても多いです。
わたしにはいろんな面で余裕がありませんでした。
それでも自分なりに精一杯、がんばって仕上げたので、
達成感だけは得られたように思います(疲労感も)。

これで多少なりとも腕が上がっていたら嬉しいのですが(⌒-⌒)



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【2019/05/17 23:22 】 | ■ペンの光 2019年 | コメント(4) | トラックバック(0) |
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