07月31日(日)
土橋靖子先生の書展
7月23日(土)に上京し、土橋靖子先生の書展を拝見させて頂きました。
会場は日本橋タカシマヤ6階美術画廊です。
素晴らしい作品が並んでいて、画像をブログにUP出来ないのが誠に残念!
なお当日は先生ご自身によるギャラリートークが催されました。
書にまつわる様々なお話から学ぶことも多かったので、
ここではその要約をご紹介させて頂きたいと思います。

●言葉を大事にする
これは「作品の題材(言葉)による心象風景を大切にする」
という表現もされていました。
ただし、単なる思いつきで書いて、
独りよがりになってしまってはいけないとも。
話がすこし脇道に逸れますが、
NHKの連続ドラマ『とと姉ちゃん』に登場する、
東堂チヨ先生のセリフをふと思い浮かべました。
「言葉には、言霊と言って魂が籠ると言われています。」
「言葉の一つ一つに魂が宿っているのです。」
なるほど。
そう考えると、言葉選びも慎重になります。
●古典を念頭に置いて書く
いろんな分野を広く浅く学ぶ。
自分のストライクゾーンを広くする。
琴線に触れた、興味のある古典を臨書し、
勉強し、それを実作に生かすこと。
心の中に、引き出しをたくさん持つということでしょうね。
さらに言えば、
どんな古典を下敷きにしたのか(あるいは目指しているのか)、
鑑賞する人にそのことが分からない方が良いらしいです。
古典の勉強は大事だけれども「お里が知れないように」書く。
恐らくそれが最終目標となるのでしょう。
そうは言っても、
「一足飛びにそのレベルに達することも難しいので、
一歩ずつ、自分の足で踏みしめながら進んでいく」
そう仰っていました。
●漢字も学ぶ
「かなと漢字は車の両輪のようなもの」
平安の古筆から離れ、現代の書を追求するためには、
漢字の勉強が不可欠となる。
そうしたお考えから土橋先生は、
集字聖教序と書譜を全臨されています。
そして臨書に際しては、
「かなに軸足を置く人間として、日本の風土へ引き寄せるように」
和風の要素を取り入れた表現を試みておられます。
今回の個展のテーマは『和を紡ぐ』であり、
漢字の古典に対するアプローチからも、
その心意気は伝わって来ました。
●イメージと技術
「かなの姿、流麗、枯淡、素朴、雅などの世界を盛り込むこと」
「形を追っていても言葉の自然な息遣いを忘れないこと」
しかし、表題のイメージを生かすためにはそれなりの技量が必要。
フィギアスケートで言うテクニカルの面はとても大事。
公募展では自分の技量を磨いて、
(言葉の持つイメージなどとは別に)
数十枚、数百枚と、たくさん書きこなす仕事もしなくてはならない。
表面的に言葉の世界に酔って書くだけではいけない。
遊びごとになってしまうと作品が浅くなる。
自分の思っている美を厳しく追求していく──。
そんな具合に言葉を大切にしつつも、圧倒的な練習量をこなして、
高い表現力、技量を身に付けていくことで、
形と言葉、イメージと技量、かなと漢字、
それらは密接に絡みつつ、作品の中に生かされていくのでしょう。
今回の個展は、作品の素晴らしさもさることながら、
土橋先生のお話からも得るものが多々ありまして、
とても有意義なひとときを過ごすことが出来ました。
わたしも初心者なりに、これから先、
勉強(みたいなマネごと)をしつつ、
日々、練習に励みたいと思った次第です。
会場は日本橋タカシマヤ6階美術画廊です。
素晴らしい作品が並んでいて、画像をブログにUP出来ないのが誠に残念!
なお当日は先生ご自身によるギャラリートークが催されました。
書にまつわる様々なお話から学ぶことも多かったので、
ここではその要約をご紹介させて頂きたいと思います。

●言葉を大事にする
これは「作品の題材(言葉)による心象風景を大切にする」
という表現もされていました。
ただし、単なる思いつきで書いて、
独りよがりになってしまってはいけないとも。
話がすこし脇道に逸れますが、
NHKの連続ドラマ『とと姉ちゃん』に登場する、
東堂チヨ先生のセリフをふと思い浮かべました。
「言葉には、言霊と言って魂が籠ると言われています。」
「言葉の一つ一つに魂が宿っているのです。」
なるほど。
そう考えると、言葉選びも慎重になります。
●古典を念頭に置いて書く
いろんな分野を広く浅く学ぶ。
自分のストライクゾーンを広くする。
琴線に触れた、興味のある古典を臨書し、
勉強し、それを実作に生かすこと。
心の中に、引き出しをたくさん持つということでしょうね。
さらに言えば、
どんな古典を下敷きにしたのか(あるいは目指しているのか)、
鑑賞する人にそのことが分からない方が良いらしいです。
古典の勉強は大事だけれども「お里が知れないように」書く。
恐らくそれが最終目標となるのでしょう。
そうは言っても、
「一足飛びにそのレベルに達することも難しいので、
一歩ずつ、自分の足で踏みしめながら進んでいく」
そう仰っていました。
●漢字も学ぶ
「かなと漢字は車の両輪のようなもの」
平安の古筆から離れ、現代の書を追求するためには、
漢字の勉強が不可欠となる。
そうしたお考えから土橋先生は、
集字聖教序と書譜を全臨されています。
そして臨書に際しては、
「かなに軸足を置く人間として、日本の風土へ引き寄せるように」
和風の要素を取り入れた表現を試みておられます。
今回の個展のテーマは『和を紡ぐ』であり、
漢字の古典に対するアプローチからも、
その心意気は伝わって来ました。
●イメージと技術
「かなの姿、流麗、枯淡、素朴、雅などの世界を盛り込むこと」
「形を追っていても言葉の自然な息遣いを忘れないこと」
しかし、表題のイメージを生かすためにはそれなりの技量が必要。
フィギアスケートで言うテクニカルの面はとても大事。
公募展では自分の技量を磨いて、
(言葉の持つイメージなどとは別に)
数十枚、数百枚と、たくさん書きこなす仕事もしなくてはならない。
表面的に言葉の世界に酔って書くだけではいけない。
遊びごとになってしまうと作品が浅くなる。
自分の思っている美を厳しく追求していく──。
そんな具合に言葉を大切にしつつも、圧倒的な練習量をこなして、
高い表現力、技量を身に付けていくことで、
形と言葉、イメージと技量、かなと漢字、
それらは密接に絡みつつ、作品の中に生かされていくのでしょう。
今回の個展は、作品の素晴らしさもさることながら、
土橋先生のお話からも得るものが多々ありまして、
とても有意義なひとときを過ごすことが出来ました。
わたしも初心者なりに、これから先、
勉強(みたいなマネごと)をしつつ、
日々、練習に励みたいと思った次第です。